ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
昨日の記事で、今年度の第一種試験の物理において問26にエネルギー分解能を求める問題が出題されたことを記載しました。
その際、「第一種試験では過去あまり出題されてはいなかったと記憶していますが…」と記載しましたが、第一種試験でも2014年管理測定技術問1Ⅱに出題されていました。記憶力が悪くて申し訳ありません・・・
2014年第一種放射線取扱主任者試験管理測定技術問1Ⅱからの抜粋
Ge検出器のエネルギー分解能は、一般的に全吸収ピークの(O)半値幅(FWHM)で与えられる。一方、全吸収ピークの形状をガウス分布とすると、このピークの半値幅(FWHM)は、(P)標準偏差の 2√(2ln2)倍で与えられる。このため、エネルギーE[ev]のγ線に対するエネルギー分解能[eV]は、電荷キャリア数の統計的変動のみに起因すると仮定すると、ゲルマニウムのε値をε[eV]、ファノ因子をFとして、2√(2ln2) ×(Q)√(F・ε・E) と表すことができる。
ln2=0.693を覚えておけば、2√(2ln2)≒2.35であることが分かります。
2019年度の第一種試験物理問26の図で2σのチャネル数が与えられているのは、半値幅(FWHM)の計算に標準偏差σの値が必要だからです。
半値幅(FWHM)が標準偏差の2√(2ln2)(≒2.35)倍で表せる理由は正規分布(ガウス分布)の式から計算で求めることができます。
正規分布の式までは覚える必要はありませんが、スペクトル形状を正規分布で近似したとき、半値幅(FWHM)が標準偏差の2√(2ln2)(≒2.35)倍で表せることは覚えておくとよいですね。