放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

反跳エネルギー

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
昨日から5月に入り、GWの最中の人も多いかと思いますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
コロナウィルスの影響で8月に予定されていた放射線取扱主任者試験が12月以降に延期されましたので、このGWは心身の休養やリフレッシュに費やして下さい。

 サービス業など、例年のGWなら仕事という人も今年のGWは休業などで自宅で過ごしている人も多くなっていることと思います。
明日4日にはコロナウィルス感染拡大防止のための自粛要請の今後の延長の有無が政府から発表されるかと思います。多くの人がGWは6日くらいまでかと思いますが、自粛要請の延長になれば、その後も在宅勤務や休業など自宅で過ごす時間が長くなるかと思います。

 

「コロナウィルス感染拡大防止のための自粛要請」も「放射線取扱主任者試験の延期」も前向きに捉えることで、皆さんが自宅でやれることはたくさんあるはずです。

この時間を大切に過ごして下さい。

 

さて、少し前のランタノイド元素の記事でサマリウム(Sm)に関する過去問題を掲載しました。以下の問題です。

2018年第一種試験物化生問1Ⅰ

質量数147の原子核がα壊変してエネルギー2.3MeVのα粒子を放出した。このとき、娘核である反跳核の運動エネルギーは(ア)MeVである。一方、質量数210の原子核がα壊変するときの壊変エネルギーが5.4MeVであれば、放出されるα粒子のエネルギーは(イ)MeVである。

 

放射線取扱主任者試験では、α壊変時の生成核種(娘核種)の運動(反跳)エネルギーや放出α粒子の運動エネルギーを求める問題がよく出題されています。上述した問題では、前半部分の(ア)が前者に該当し、後半部分の(イ)が後者に該当します。

参考までに後半部分の質量数210の原子核とはポロニウム(210Po)のことです。

210Poに関しては、α壊変時の生成核種(206Pb)の反跳エネルギーを求める問題も2013年度第一種試験化学問27で出題されています。

2013年度第一種試験化学問27

210Poは5.304MeVのα線を放出し、安定な206Pbになる。α線による206Pbの反跳エネルギー[keV]に最も近いものはどれか。

 

2016年度の第一種試験の物化生問1Ⅰでは、ラジウム(226Ra)がα壊変する際に放出されるα粒子の運動エネルギーを求める問題が出題されています。

 イメージ 1

 

α壊変時の生成核種(娘核種)の運動(反跳)エネルギー、また放出α粒子の運動エネルギーの求め方に関しては本ブログのα線放出に伴う反跳エネルギーの記事に記載していますのでご覧下さい。

 

反跳エネルギーに関しては、放射性核種が電磁波である光子を放出した後、原子核が受ける反跳エネルギーを求める問題も出題されることがあります。2019年度第一種試験の物理問32でも出題されています。

2019年度第一種試験物理問32

(4)粒子bは電磁波の性質を示し、その振動数をν、プランク定数をh、光速度をc、原子核の質量をMとすると、その運動量は(エ) 、エネルギーは(オ) である。一方、粒子放出後の原子核の運動エネルギーは(カ) であり、これを(I)という。

2018年度の物化生では60Coがβ-壊変して1.333MeVのγ線を放出する際の反跳エネルギーを求める問題が出題されています。

2018年第一種試験物化生問1Ⅰ

質量数60の原子核が1,333MeVのγ線を放出するとき、原子核が受ける反跳の運動エネルギーは(ウ)keVである。

 

光子を放出した後の原子核の反跳エネルギーを求めるには重要な公式があります。放射線概論ではホットアトムの章に載っています。必ず暗記しておきましょう。
ホットアトムの反跳エネルギーE[eV]
  イメージ 1 (この式は暗記しましょう)
 M:反跳原子の質量数 Eγ:放出された光子エネルギー[MeV]

 

本ブログでもホットアトムの反跳エネルギーの記事に掲載していますのでご覧下さい。
 

気持ちを新たに

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
4月も今日が最終日となり、昨日からはGWも始まりました。
現在、コロナウィルス感染拡大防止のため全国的に自粛が要請されています。せっかくのGWですが、一人一人が自粛に協力することで収束する日がより早まります。皆さん一人一人の心掛けが大切です。
GWに外出できず自粛しなくてはならないことは残念なことですが、先日の記事でも書きましたように、この自宅で過ごす時間を前向きに捉え、何か目標を立て有意義に過ごして下さい。

 

一昨日、原子力安全技術センターのホームページに、今年度の放射線取扱主任者試験の延期が決定されるアナウンスが掲載されました。例年8月に開催されていますが、今年度はコロナウイルスの影響で12月以降になる予定とのことです。

 

試験日が12月以降に延びたことで、皆さんはどのように感じていますか。
8月の試験に向けて一生懸命勉強に励んできた人の中には残念に思った人も多いのではないでしょうか。
また、今年度の試験には間に合いそうになく諦めかけていた人にとっては、勉強できる期間が長くなったことで逆に良かったと思っていますでしょうか。

 

8月の試験に向けて計画的に勉強してきた人にとっては、「12月まで勉強するのか…」と溜息が出そうになったかもしれません。確かに8月と思っていた試験が12月以降となったことでモチベショーンを維持するのが難しくなる気持ちも分かります。
今まで頑張ってきた人は少しペースを落としても良いようにも思います。順調に勉強が進んでいた人は過去問題を既に解き始めているかと思いますが、もちろんこのまま解き続けながら、解けなかった箇所、間違えた個所を放射線概論や参考書に戻ってじっくり考える時間を設けてもよいかと思います。
過去問題は多くの問題を解くことに越したことはありません。勉強期間が長くなった分、たくさんの過去問題を解くこともできます。過去問題を解いて解けなかった箇所、間違えた個所をじっくりと調べて理解する時間も十分ありますので、試験までの期間が延びたことを前向きに捉えて下さい。せっかく今まで頑張ってきたのですからペースは多少落としても構いませんので、毎日コツコツと今まで通り頑張って頂きたく思います。

 

放射線の勉強を始めたばかりの人、また今まで思うように試験勉強が進んでいなかった人で今年度の受験を迷っていた人にとっては、8月の試験が12月以降に延びたことで、準備期間にかなり余裕ができました。半年以上の勉強期間が貰えたわけですから合格に必要な時間は十分に確保できます。
3か月から4か月間を放射線概論などの参考書で放射線について学び、試験までの残りの期間は過去問題をしっかりと解いて下さい。できるだけ過去問題を解く時間を多く作ることが大切です。

 

今年度の放射線取扱主任者試験の延期は既に決まってしまったことです。
今からは気持ちを切り替えることが大切です。
試験まで十分な時間が貰えましたので、もう一度、自分なりの計画を立て、そして「頑張るぞ!」という決意を新たに5月からまた頑張って下さい。

 

目標を見失ってはなりません。
目標さえしっかりと持って努力すれば必ず合格できます!

頑張って下さい。

 

令和2年度放射線取扱主任者試験 延期

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

原子力安全技術センターのホームページに、令和2年度放射線取扱主任者試験の延期のお知らせが掲載されました。

令和2年度 放射線取扱主任者試験を令和2年12月以降に延期します。

また、試験会場を見直しいたします。

https://www.nustec.or.jp/news/pdf/20200428.pdf 

新型コロナウイルス感染症に関し 緊急事態宣言が発出され、適切な準備期間の確保が困難となり延期になったとのことです。

現状、令和2年12月の実施を検討しているようでが、今後の状況により更なる延期も想定されることから7月頃に改めて実施の見通しの案内がされるようです。

 

また、放射線取扱主任者試験の受験者数の減少に伴い試験会場を6会場から4会場に見直すとのことも書かれています。

(現行 ):札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡

(見直し後):札幌、東京、大阪、福岡

仙台および名古屋会場での実施がなくなるようです。

 

令和2年度放射線取扱主任者試験を実施する場合には、例年どおり、その日程、試験会場等について、試験実施日のおおむね3ヶ月前に、原子力規制委員会による官報公告及び原子力安全技術センターのホームページにて案内するとのことです。

 

溶媒抽出法

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

前回はリン酸トリブチルに関する記事を掲載しましたが、その中で「溶媒抽出法は非常に重要ですので過去問題でしっかり勉強しておきましょう」と記述しました。

第一種放射線取扱主任者試験では溶媒抽出法に関する計算問題がよく出題されています。試験に出題される溶媒抽出法の計算問題は2つの公式を暗記しておけばほとんどの問題は解くことができます。

今日は溶媒抽出法で必ず暗記しておかなくてはならない2つの公式について書きたいと思います。しっかりと覚えて使えるようにしましょう。

 

溶媒抽出法は放射性同位体元素を分離・精製する手段の1つで、互いに混じり合わない二液間、通常は有機溶媒(有機相)と水溶液(水相)における分配の差を利用して分離・精製する方法をいいます。

 

f:id:radioisotope_f:20200424133942p:plain

 

①分配比Dを求める公式
分配比(一般的にDで表す)とは有機相と水相への放射性核種の分配を示す数値で、Dの値が大きいほど有機相に多く抽出されます。分配比Dは以下の式で表されます。

 イメージ 1
 (この式は暗記しましょう

 CO有機相中の放射性核種の全濃度
 CW:水相中の放射線核種の全濃度

②抽出率Eを求める公式
抽出率(一般的にEで表す)とは有機相にどれだけの放射性核種が抽出されたかを示す数値で以下の式で表されます。
   
 イメージ 2 (この式は暗記しましょう

 D:分配比
 VO有機相の容量
 VW:水相の容量

通常は有機相と水相の容量は等しい場合が多いので、VO=VWより、

 イメージ 3 (この式は暗記しましょう

 

実際の試験では分配比や抽出比に関する計算問題が多く出題されています。
分配比、抽出比の定義をしっかりと理解していれば難しい問題ではありませんので、必ず過去問題を繰り返し解くことで自分で解けるようにして下さい。
溶媒抽出法における分配比や抽出比は、定義の文章や公式だけ見ていてもイメージできないかと思いますので、実際の過去問題を解く方がより理解しやすくなります。
 
2014年度第一種試験物化生問4Ⅲは良問ですので、この問題を解きながら溶媒抽出法における分配比や抽出比というものを理解して下さい。
2014年度第一種試験物化生問4Ⅲ
溶媒抽出法も微量の放射性物質を分離するときにしばしば用いられる。溶媒抽出では2種類の互いに溶解しない溶媒に対する溶質の溶解性の違いを利用して分離又は抽出を行う。
実際の分離抽出では、分配比
D=C2/C1     (3)
が重要である。ここで、C1は注目する核種の溶媒1における濃度、C2は溶媒2における濃度である。
平衡状態に達したときの溶媒2への抽出率E(%)は、使用する溶媒1、2の体積をそれぞれV1、V2として、
E(%)=(I)×100     (4)
と表せる。例えば、V1=V2でD=20のときE=(エ)%となる。
一般にも目的核種を抽出する場合、使用する溶媒の体積は同じである必要はない。上と同じ抽出を、溶媒2を一度に全量使うのではなく、3回に分けて抽出操作をする場合を考える。つまり溶媒2をV2/3使って抽出し、溶媒1、2を分液ロートで分離する(抽出1)。次に溶媒1に対して新しいV2/3量の溶媒2を使って再び抽出する(抽出2)。さらに残りのV2/3量の溶媒2で抽出をもう一回繰り返す(抽出3)。この一連の操作での抽出について、抽出1での抽出率E1は(オ)%である。抽出3まで行うと、溶媒1に残っている目的核種は(カ)%となる。一般に抽出に用いる溶媒を一度に用いるよりも多数回に分けて用いたほうが、操作全体での抽出率は大きくなる。
金属イオンは、有機溶媒にほとんど溶けないが、有機溶媒への溶解度を高める(J)と結合させることによって金属イオンの水溶液から有機溶媒への抽出が行われる。一般的にこのような(J)は(K)であるために、抽出効率は水溶液の(L)に大きく依存する。複数のイオンの混合水溶液から特定のイオンを有機溶媒へ抽出する場合には、目的イオン以外のイオンの水溶性を高める(M)が用いられる。
 
最近出題された溶媒抽出法の過去問題をいくつか掲載します。
2019年度第一種試験化学問31
化学分離には、沈殿法、溶媒抽出法、イオン交換法などが利用される。
(中略)
一方、溶媒抽出法とイオン交換法は、2つの異なる相の間で元素が(J)される現象を利用した分離法で、トレーサー量の元素に対しても適用可能である。
2018年度第一種試験物化生問4Ⅱ
(前略)
一般的に抽出効率は抽出剤の選択性や溶媒の使用量に大きく依存する。水相:有機相の体積比が1:1のときに、放射性核種の水相/有機相の放射能比が0.10となるような抽出を考える。水相にある100kBqの放射性核種に対して、水相の4倍の体積の有機相で2回抽出を行うと、水相には、(ウ)Bqが残る。
208Tlを水相から有機相に選択的に分離するには、Fe(Ⅲ)に用いられるようなイオン会合体抽出が効果的で、水相を(N)溶液として、(O)を有機相に用いる分離が行われる。

2017年度第一種試験化学問20

ある化学種に対する有機溶媒(O)と水(W)の間の分配比(O/W)は4である。その化学種(100MBq)を含む水溶液に同体積の有機溶媒を加えて抽出した。有機溶媒を取り除き、残った水溶液に同体積の新たな有機溶媒を加えて再び抽出した。2回の操作で有機溶媒に抽出された化学種の放射能の総量[MBq]として最も近い値は次のうちどれか。

2015年度第一種試験化学問19

ある有機化合物を溶媒抽出する場合、放射性化合物の有機相中の濃度が水相の濃度の10倍であった。この化合物の放射能が100MBqであるとき、その95MBqが有機相に抽出された。このとき、有機相(O)と水相(W)の容積比(VO/VW)として最も近い値は次のうちどれか。

2014年度第一種試験化学問23

有機相と水相との分配比が50の放射性の化学種があり、その化学種を含む水溶液の放射能は100MBqである。水相と等容積の有機相で溶媒抽出した場合に、水相に残る放射能[MBq]として最も近い値は次のうちどれか。

2012年度第一種試験化学問25

水相からある有機相へのI2の抽出の分配比が100であった。50MBqの125IをI2として含む水相100mLから、このI2有機相50mLに抽出した場合、水相に残る125Iの放射能[MBq]に最も近い値は次のうちどれか。

 

リン酸トリブチル(TBP)について

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

前回、前々回とランタノイド元素、アクチノイド元素についての記事を紹介しました。放射線取扱主任者試験では暗記することで得点できる問題を取りこぼさずに確実に得点していき、1点1点を大切にしていくことが合格への近道です。

元素、周期表は確実に覚えるようにしましょう。

 

今日はランタノイド元素、アクチノイド元素に関係する化合物としてリン酸トリブチル(TBP)について書きたいと思います。放射線取扱主任者試験で頻繁に出題される化合物ではありませんが、覚えておくと役に立つ化合物です。

 

原子力百科事典ATOMICAではリン酸トリブチルは以下のように記述されています。

リン酸トリブチル(TBP)

ウラン精鉱からウランを精製する際の溶媒抽出プロセス、使用済燃料再処理の際の溶媒抽出プロセス等で使用される溶媒。

化学式は(C4 H9)3PO4。融点は−80℃、沸点は289℃、比重は0.98(25℃)で、水には難溶であるが、有機溶媒には容易に溶解する。放射線分解及び加水分解によりMBP(リン酸モノブチル)を生成する。ランタノイド元素、アクチノイド元素を酸溶液から選択的に抽出する性質があり、硝酸に対して安定であること、耐放射線性も比較的高いことから、ドデカンなどと混合して、粘度、比重を調整して再処理用抽出溶媒として用いられる。

 

リン酸トリブチルは核燃料再処理において使用済み核燃料からプルトニウム(Pu)とウラン(U)を抽出するPUREX法という抽出方法に利用される化合物です。

使用済み核燃料を硝酸に溶解させた後、炭化水素(一般的にはn-ドデカンなど)の溶媒に30%のリン酸トリブチル(TBP)を溶かしたものを加えると、ウランとプルトニウムはTBPと錯体を形成して有機相に抽出されます。その一方で、核分裂により生成した超ウラン元素であるアメリシウム(Am)やキュリウム(Cm)は水相に残るので有機相のみを取り出せばウランとプルトニウムを分離することができます。

 

放射線取扱主任者試験では、核処理に関しては覚えておく必要はありませんが、溶媒抽出法は非常に重要ですので過去問題でしっかり勉強しておきましょう。

 

リン酸トリブチル(TBP)が出題された過去問題です。

2007年度第一種試験物化生問4Ⅱ

溶媒抽出法では、溶質の抽出特性を表す指標として分配比が用いられる。有機相中の溶質の全濃度をCO、水相中のそれをCAとすると、分配比は(A)で表される。通常は有機相への抽出を増すために(B)等の抽出剤を有機相に加える。有機相を30%リン酸トリブチル/n-ドデカン、水相を硝酸溶液とした時の、いくつかの金属元素について分配比を表に示す。

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等容積の有機相と3M硝酸溶液を用いた1回の抽出では、U(VI)は(C)%が有機相に抽出され、Eu(III)とTc(VII)は(D)%が水相に残ることがわかる。この水相に対して、新たに等容積の有機相を用いて2回目の抽出を行うと、水相中に残るU(VI)量は、最初に存在した量の(E)%となる。

2006年度第一種試験化学問16

90Srに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A ウランの核分裂によって生成する。

B 壊変する際にγ線を放出する。 

C 人体に摂取されると骨に沈着する。 

D アルカリ土類金属元素である。 

E 塩酸酸性溶液からリン酸トリブチル(TBP)へ抽出される。

2008年度第一種試験化学問7

32Pで標識したリン酸トリブチル(TBP)を合成したところ10MBqを含む1.0gの製品を得た。この製品の化学純度は90重量%、放射化学純度は86%であった。この[32P]TBPの比放射能[MBq・g-1]として最も近い値は次のうちどれか。

 

アクチノイド元素

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

前回はランタノイド元素についての記事を紹介しましたので、今日はアクチノイド元素に関する記事を書きたいと思います。

今日も問題を一緒に解きながら重要事項を覚えましょう。

 


問 
次の記述のうち、アクチノイド元素にあてはまるものはどれか。

A すべて人工核種である。

B すべて放射性核種である。

C すべて熱中性子照射によってのみ核分裂を起こす。

D ラジウムラドンアクチノイド元素である。

E すべてアクチニウム系列に属している。


 
前回も書きましたように、化学の試験では周期表や元素に関する問題が必ず出題されます。周期表や元素に関する問題は記することで必ず得点できますので面倒がらずに確実に覚えましょう。周期表や放射性核種の覚え方に関しては、このブログでは以下の記事に記載しています。インターネット上にもいろいろな語呂合わせを用いた覚え方が載っていると思いますので、自分なりに一番覚えやすい方法で暗記して下さい。
 
 
アクチノイド元素
    Ac Th Pa U Np Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No Lr
 アコちゃんの パイは 上向き ニップル ぷるん
   甘えて噛んで ばっかりね エスじゃ 不満で ノれないわ

 

以下は原子力百科事典ATOMICAからの引用です。

アクチノイド

周期表において原子番号89のアクチニウム(Ac)から103のローレンシウム(Lr)に至る15の元素の総称である。原子番号90,91,92のトリウム(Th)、プロトアクチニウム(Pa)、ウラン(U)は天然に存在するアクチノイドである。93のネプツニウム(Np)以降は人工元素であり、例えば原子炉内で核燃料物質が中性子捕獲反応とβ壊変を繰り返すことによって生成する。したがって原子炉の使用済み燃料のなかには、原子番号94のプルトニウム(Pu)とともに微量の他のアクチノイドが含まれている。一般に長寿命の放射能を持ちα壊変を行うが重い元素では自発核分裂も行う。用途としては原子力分野が多く核的性質が利用されるので、元素としての特性よりは個々の同位体の性質が重要視される。アクチニウムを除外してアクチニドと呼ぶこともある。

 

では、問題を解いてみましょう。

アクチノイド元素には、ウランやトリウムなど天然に存在するものもありますので、選択肢Aは誤り

アクチノイド元素はすべて放射性核種ですので、選択肢Bは正しい

アクチノイド元素に属するウランでは235Uは熱中性子核分裂しますが、238Uは高速中性子核分裂を起こすので、すべてのアクチノイド元素が熱中性子のみで核分裂するわけではありません。よって、選択肢Cは誤り

ラジウム(Ra)は原子番号88でアルカリ土類金属ラドン(Rn)は原子番号86で希ガスの属しますのでアクチノイド元素ではありません。 よって、選択肢Dは誤り

アクチノイド元素とアクチニウム系列は異なります。アクチニウム系列とは235U(7億年) から始まり207Pbで終わる壊変系列を作る放射性核種です。天然放射性核種に関する問題の記事を参考にして下さい。よって、選択肢Eは誤り

よって、選択肢Bが正しくなります。

 

ランタノイド元素、アクチノイド元素に関して第一種試験で出題された過去問題をいくつか掲載します。

2007年度第一種試験化学問4

アクチノイド元素とランタノイド元素に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A アクチノイド元素は全てが放射性である。 
B ランタノイド元素は全てが安定同位体を持つ。 
C ランタノイド元素は原子番号が増すと原子半径が小さくなる。 
D アクチノイド元素は3価の状態が最も安定である。
2011年度第一種試験化学問12
アクチノイド元素とランタノイド元素に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A すべてのアクチノイド元素は放射性である。 
B すべてのランタノイド元素は安定同位体をもつ。 
C すべてのアクチノイド元素は3価の状態が最も安定である。 
D すべてのランタノイド元素は遷移元素である。

2017年度第一種試験物化生問4Ⅰ

現在、118種類の元素が発見されている。天然に存在する元素のうち、最も大きい原子番号は(ア)であるが、原子番号43の(A)と原子番号61の(B)は天然には存在しない。原子番号がを92を超える元素は(C)元素と呼ばれ、すべて人工放射性元素である。原子番号が104以上の元素は(D)元素と呼ばれ、重イオン核融合反応によって合成されることが多い。

 

ランタノイド元素

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

今は自宅にいる時間も多いことと思います。せっかくの時間ですので、この時間を有意義に過ごすためにも目標を立てて過ごして下さい。

このブログを読んでいただいている人は放射線に興味のある人、放射線を勉強している人、また放射線業務に携わっている人など様々かとは思いますが、放射線に何らかのかたちで接しているのですから、是非目標のひとつとして放射線取扱主任者試験にチャレンジしてみて下さい。

 

さて、今日は周期表に関する記事を問題を解きながら書いてみたいと思います。

 


問 
ランタノイド元素に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A ランタノイド元素は全てが安定同位体を持つ。 
B ランタノイド元素は原子番号が増すと原子半径が小さくなる。 
C すべてのランタノイド元素は遷移元素である。
D サマリウムランタノイドに属する。

 
化学の試験では周期表や元素に関する問題が必ず出題されます。
周期表や元素に関する問題は暗記することで必ず得点できますので面倒がらずに確実に覚えましょう。
周期表や放射性核種の覚え方に関しては、このブログでも以下の記事に記載しています。インターネット上にもいろいろな語呂合わせを用いた覚え方が載っていると思いますので、自分なりに一番覚えやすい方法で暗記して下さい。
 
 
通常、周期表ではひとつの枠に入る元素は1つですが、ランタノイド元素とアクチノイド元素は例外です。「希土類元素」という名称はスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタノイド(ランタン(La)からルテチウム(Lu)まで)の元素全てを指します。
 

ランタノイド元素
 La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd Tb Dy Ho Er Tm Yb Lu

 らんちゃんせっかちプルンとヌード 午後のSM 

    夕方テレビで大放送 エロくてたまらず いたぶるん

 

では、問題を解いてみましょう。

ランタノイド元素の中では、原子番号61のプロメチウム(Pm)は放射性同位体のみで安定同位体が存在しませんので、選択肢Aは誤り。原子番号43のテクネチウム(Tc)も放射性同位体のみで安定同位体が存在しないことも覚えておきましょう。
ランタノイド収縮に関することです。よって、選択肢Bは正しい。

ランタノイド収縮

ランタノイド元素のイオン半径が原子番号とともに小さくなること

すべてのランタノイド元素は遷移金属です。よって、選択肢Cは正しい。

サマリウム(Sm)はランタノイドに属します。よって、選択肢Dは正しい。

よって、選択肢BCDが正しくなります。

 

選択肢Dのサマリウム(Sm)は放射線取扱主任者試験でも時々出題されます。

2008年度第一種試験物化生問1Ⅰ

α壊変は、ある原子核がα粒子すなわち、(A)原子核を放出して、より質量が小さい原子核に壊変する現象であり、通例、質量数が200以上の原子核に起こる。ただし、質量数が200以下でα壊変を起こす原子核も知られており、例えば、半減期が1.06×1011年である(B)のような天然放射性核種も存在する。

2018年第一種試験物化生問1Ⅰ

質量数147の原子核がα壊変してエネルギー2.3MeVのα粒子を放出した。このとき、娘核である反跳核の運動エネルギーは(ア)MeVである。一方、質量数210の原子核がα壊変するときの壊変エネルギーが5.4MeVであれば、放出されるα粒子のエネルギーは(イ)MeVである。

 

質量数147でα壊変する核種としてサマリウム(Sm)を覚えておきましょう。サマリウム(Sm)は天然放射性核種として出題されることがあります。

壊変系列をつくらない放射性核種として以下のものは覚えてきましょう。
  40K 87Rb 115In 138La 144Nd 147Sm 176Lu 180W 187Re 190Pt 210mBi

本ブログでは天然放射性核種の記事に記載してあります。

 

余談ですが、質量数147の核種としては、本日の問題の選択肢Aの解説にも書きました原子番号61のプロメチウム(147Pm)も重要ですので覚えておきましょう。

 

 147Pm:β-壊変 半減期2.6年 224keVのβ線のみ放出